船はどうして水に浮くの?

 

  お風呂に入ると、自分の体が軽くなることを経験したことがあるでしょう。それは体に浮力が働いている
からです。

  水の中に置かれた物体には、それが排除した水の重さ(重力)に等しい浮力という力が働くのです。この
原理は紀元前250年頃ギリシャの科学者アルキメデスによって発見され、アルキメデスの原理と呼ばれて
います。

  今、1kgの鉄の球があったとします。これは直径6.24cmの、テニスボール(6.51±0.16cm)よりちょっと
小さい、体積が約127cm3の球になります(鉄の密度は7.86)。これを水の中に置くと、この鉄球には鉛直
下向きに1kg重の重力と、鉛直上向きに約0.127kg重の浮力が働きます。下向きの力のほうが大きいの
で、鉄球は沈んでしまいます。

  この鉄球を、風船のようにバスケットボール(中学生用は直径約23cm)大に膨らませると、中に2kg
砂を入れても、半分ほど水面に顔を出します。この時水面下の体積は約3000cm33kg重の浮力を
生じ、重力3kg重と釣り合います。

  ですから、重い物を運ぶ船は、浮力を大きくするため、船体を大きくして水面下の体積を大きくする必要
があります。