船はどうして転覆しないの？

　 航海中には、強い風やうねり、三角波がおそってきます。でも、どうして船は転覆しないのでしょう。これは、船に復元力という、船が傾いたときもとに戻そうとする力が働いているためです。

浮かんでいるものには、常に2つの力が働いていることは「船はどうして水に浮くので述べましたが、浮かんでいる船にも2つの力が働いています。1つは、船を沈めようとする重力、もう1つは船を浮かべようとする浮力です。

　 重力は、その大きさは船の重量、方向は鉛直下向き、作用点（重心）は船体内の決まった位置で、よほどのことがない限り、移動しません。

　浮力は、その大きさは船の排除した水の重量、方向は鉛直上向き、作用点（浮心）は水面下の船体の体積の中心で、船の傾き具合により常に移動しています。

　 船は、傾いたとき浮心が移動して傾きをもとに戻そうとする力（復元力）が常に生じるように、重心の位置と船底の形状を十分に考えて造られているので、よほどのことがない限り転覆することはありません。